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2013年11月16日土曜日

011 梅乃湯 (山口県周南市/旧新南陽市)

未更新だった徳山・文化湯から、福井・岐阜・三重などを巡った一連の銭湯巡り。
スマホの保存メールに各銭湯のメモを取っていたのだが、アップデートをしたところ、あろうことか綺麗さっぱり消失していた。
貴重なお話をたくさん聞けたのに。

記憶をもとに記事を起こしているが、細かい年数や単語など、どうしても埋まらない部分がある。
次の更新は徳山・文化湯の予定であったが、上記の理由で今は記事が書けない。
よって、記憶でなんとかなったものから、先に更新しようと思う。

といったわけで引き続き山口編だ。
徳山市と新南陽市が2003年に合併して出来た、周南市。
旧新南陽市で唯一の銭湯となる、梅乃湯に行った。




旧・新南陽。どうでも良い話になるが、「旧新~」と続くとワケのわからない日本語になる。
静岡県浜松市で「旧新川」という河川の看板を見た時はつい写真を撮ってしまう程度であったが、
茨城県ひたちなか市で見たホテル「ニュー白亜紀」のセンスには心を射抜かれた。
作者がたいして笑いを意図していないと思われる点が、非常にツボだったのだ。
 
ちなみに新南陽という名はいかにも平成の大合併で造られた地名に感じてしまうが、
実は南陽町が1970年に市制を施行した際、すでに山形県南陽市が存在したため「新」を付けたもの。
「新」を付けるのは安直な手段ではあるが、
致し方ない経緯やそれなりの歴史があったと知れば、不思議と深みを感じてしまう。
「新幹線」という言葉も、今ではもはや味がある。
最たる突き抜けたモノは、「新加勢大周」で異論は無いと思うが。




話がそれすぎた。
JR山陽本線・新南陽駅から徒歩で2分もあれば着いてしまう絶好の立地。
マンションの1階部分が銭湯になっているので、そう遠くない頃に改装されたのであろう。
道路の突きあたりを右へ行くと新南陽駅だ。




この色合いを見て順天堂大学の襷を思い出した。




駅から近いのに駐車場も完備。
モータリゼーション化の進む土地だけに当然と言えるが、ありがたい。




右が男湯。女湯は左だ。
左の壁の裏には、マンション部分の2階へ登る階段が隠れている。




観葉植物や置き物で賑やかな脱衣所。
お客さんが多く、中の撮影は出来なかった。

番台に座る女性に歴史を聞いてみたところ、
「ごめんなさい、バイトだから詳しいことはわからくて」とのこと。
しかし「むかしはマンションと一体ではなく、銭湯のみの建物だった。今は南が入口だけど、昔は東に玄関があったのよ」と教えてくれた。

浴室の扉を開けると、正面の壁にカランが並び、浴室は右横に広がる構造。
長い浴槽には仕切りがあり、ジェットバスや電気風呂など機能性は申し分ない。

駅から近い立地もあるのだろうか。
入浴した山口県の銭湯では最も客が多く、活気を感じた銭湯であった。




【梅の湯】

住所:山口県周南市清水1の1の8

営業時間:16時~21時

定休日:毎週月曜

訪問日:2013年10月

駐車場あり

※訪問当時のデータです


【オマケ】



古いのか、新しいのか…
 

白亜紀という時点で、「新」は似つかわしくないと思うが…
大雑把な地図も、たどり着けるか不安にさせてくれる。

2013年11月8日金曜日

廃006 仙崎湯 (山口県長門市)

【2013年10月の訪問です】

大正末期から昭和初期にかけ活動した詩人・金子みすず(金子みすゞ)の故郷として知られる、山口県長門市の仙崎。
観光協会で入手した地図を夜に眺めていたところ、「旧仙崎湯」の文字を偶然発見した。

まったく把握していなかったので驚いた。
建物を見て、更に驚いた。




これまた凄い外観だ。反則級の格好良さである。
和風の建築が多い仙崎に突如現る、ツタに覆われた洋館。
地図の説明が無かったら、銭湯とは気づかないだろう。

この外観だけでのぼせてしまう。
入りたかったなあ…。いつまで営業していたのだろうか。

JR山陰本線の支線・仙崎線の仙崎駅から徒歩5~6分程度。
駅から「みすゞ通り」を北進し、仙崎郵便局の先の角を左折すると、ほどなく左手に佇んでいる。




ツタでよく見えないが、建物中央に右書きで「湯崎仙」と屋号が書いてある。

建物は、銭湯としては奥行きが無い。
背後は空き地なので、ここに釜場があったのかもしれない。

周辺はかつて、仙崎随一の歓楽街だったらしい。
営業当時の情報はネット上でも全くヒットしないが、
昭和44年度版の全国浴場銘鑑に名前が見えるので、少なくともその時には営業していたようだ。
銘鑑によると、当時の仙崎には銭湯が3軒あった。
仙崎湯のほか「松の湯」、「喜楽湯」の名が見える。


【仙崎湯】

住所:山口県長門市仙崎幸町(番地不明)

訪問日:2013年10月

詳細不明です。
情報を知っている方、なんでも宜しいので御連絡お待ちしております。

2013年11月3日日曜日

廃005 うべ温泉 (山口県宇部市)

【2013年10月の訪問です】 

宇部市唯一の銭湯・友恵湯で、おかみさんの話に出てきた「うべ温泉」。
同湯からの帰り道、その足で跡地に向かった。




JR宇部線・宇部新川駅から徒歩3分程度の好立地。
建物も古くなく看板も残っているため、廃業銭湯とは思えない雰囲気だ。
前の道が狭い上に夜遅い時間のため、全体を伝える構図が上手く撮影できなかった。




友恵湯のおかみさんによると、廃業は約2年前。
ネット上では2011年8月時点の営業情報がヒットするので、
それからほどなくして廃業してしまったのかもしれない。




 屋号は「温泉」だが、サウナや多機能風呂を備えた銭湯。番台式だったようだ。


 【うべ温泉】

住所:山口県宇部市西本町1の9の4

営業時間:15時~22時? (看板の表記は23時だがテープ跡が見える)

定休日:5、15、25日

駐車場あり

※営業当時のデータです

2013年10月30日水曜日

010 友恵湯 (山口県宇部市)

【2013年10月の訪問です】

この日は山口県の内陸に位置する秋吉台や秋芳洞を観光。
夜は銭湯に行きたいところだが、同地から最寄(と言っても20kmほどありそう)だった山口市の亀山湯は5月末で廃業してしまった。

だが、銭湯は無くなったものの山口市には湯田温泉がある。
秋吉台周辺から30~40分ほど車を運転すれば、快適な温泉に浸かることができるのだ。

しかし、やはりここは銭湯に行きたい。
湯田温泉の共同浴場は、10年後に訪れてもおそらく元気に営業しているだろう。
でも、銭湯は失礼ながら数年先の保証が無い。
近場の温泉を回避し、遠くの銭湯へ行く選択。
我ながら少々変態とは思うが、自分では理に適った行動のつもりだ。

秋芳洞から最寄の現役銭湯は、宇部市の友恵湯か、防府市の桑の山温泉になる。
おそらく、ともに約40kmぐらい距離はあるんじゃなかろうか。それぐらい山口県は銭湯が少ない。

ネットで検索した結果、古そうな外観かつ情報も少ない宇部の友恵湯に決めた。
電話をし、営業を確認。とても感じの良さそうなおかみさんが応対してくれた。




前置きが長くなったが、車で1時間ほどかけ友恵湯に無事到着。
列車だと最寄はJR宇部線・東新川駅で、徒歩10分程度だろうか。
海沿いの工業エリアに接する住宅地に、同湯はひっそりと佇んでいた。




左が男湯。右が女湯。




表示は女湯のみ。




玄関より撮影。伝統的な番台式だ。




曇りガラスの男女境に沿い、浴槽が2つ。奥がジェットバス(確か)で深く、手前は浅い。




緑、白、青が鮮やか。清掃が行き届いた、綺麗な銭湯だった。




貴重な白ケロリン。




湯気抜きに吸い込まれそう。




カラン&シャワーは確か7個。




天井の丸っこいフォルムが可愛らしい。




「何んでも揃う店」。




ロッカーの鍵は大日之出。
むかし大日ノ出って力士がいたな、とマニアックなことを思い出した。




おかみさんによると、経営を引き継いだのは1958年(昭和33年)。
「開業は戦後すぐの時期ではないか」とのことだ。細かい改装はしているが、建物は当初のままらしい。

友恵湯は宇部市に残る最後の銭湯だ。
「10年ほど前に中央温泉が辞め、うべ温泉が2年前に廃業してしまった」と説明する。
「一軒だけになってしまった。続けてないといけないねぇ」。

男湯のドライヤーは故障中だったが、おかみさんが使えるものを持ってきてくれた。
また、翌日に萩へ行く旨を伝えると、道路を親切に教えてくれた。
さらには、山口県全体の観光パンフレットまで頂いてしまった。

わざわざ時間をかけ遠くの銭湯まで来て、本当に良かった。
元気にいつまでも営業してくれるよう祈るばかり。




読みは「ともえゆ」。




余談だが、友恵湯からの帰り道に山口県浴場組合のHPを確認すると、
宇部市の廃業銭湯としておかみさんが言及しなかった天徳湯の存在に気が付いた。
HPに宇部市の銭湯が3軒掲載されていることは覚えていたので、
おかみが廃業した2軒を挙げた際、これに友恵湯を加えた3軒がHPの掲載銭湯だと思い込んでいたのだ。
しかし実際には、中央温泉が未掲載で、天徳湯なる未知の銭湯の名が残っている。
おかみが存在を忘れていただけで、約10年前に中央温泉が廃業した後も、天徳湯はしばらく営業していたのだろうと思う。

宇部岬駅の近くという天徳湯。住所を頼りに探してみたが、建物は無かった。


【友恵湯】

住所:山口県宇部市明治町2の10の3

営業時間:16時~22時

定休日:日曜

訪問日:2013年10月

駐車場あり

※訪問当時のデータです

2013年10月25日金曜日

廃004 さくら湯 (山口県山陽小野田市)

【2013年10月の訪問です】

山口県公衆浴場組合のHPには、廃業した銭湯の情報が載っている。
載っているというより、残っているという表現が妥当か。
廃業した銭湯は写真が削除され、そこに墓標の如く「廃業しました」の一文が書き加えられるのだ。

2013年10月現在、HPには29軒の銭湯が掲載しており、現役銭湯は17軒。
つまり、HP製作時(時期不明)から12軒が力尽きたことになる。

銭湯が元気な下関市は13軒の掲載。このうち、営業は10軒という状況だ。
つまり、下関を除いた山口県の銭湯は、ここ数年で16軒から7軒まで減ったことになる。


前置きはさておき、
山陽小野田市(旧小野田市)の最後の1軒として営業していた「さくら湯」の跡地を確認してきた。
ネットの情報だと少なくとも2010年の1月時点では営業していたようだが、廃業時期は不明。

観光地とは言えない地域の地方銭湯にありがちなんだけど、
ココも少なくとも4年近く前までは営業していたのに、情報が氾濫するインターネットでも有為な情報が数件しかヒットしないのだ。
さくら湯の場合、営業当時の写真が確認できたので、まだマシなほうと言えようか…。


※匿名さんより情報をいただきました。2012年12月31日まで営業していたそうです




といったわけで、さくら湯。建物は残っていた。
山陽本線の支線・JR小野田線の南小野田駅から徒歩2分程度でしょうか。

外観は地方の小銭湯っぽいモルタル造り。煙突も、まだ残っている。




ロープが張られ、看板や屋号を取り外された痛々しい姿をさらけ出している。

左が男湯、右が女湯。上部の屋号は薄い赤文字で書かれていた。
屋号の下の丸看板には、赤字の「ゆ」。
男女の入口の間には営業案内が掲載されていた模様。




インターネット上の情報をまとめると、
夏場は浴室の入口が開けっ放しで、扇風機は無し。循環式では無い浴槽で、薬湯や水風呂がある。昭和感たっぷりの雰囲気、とのことだ。

近くには太平洋セメントの工場があり、「セメント町」なる住所まで存在する(南小野田駅は、かつて「セメント町駅」だった)。
商店や住宅も多い一帯。かつてはセメント会社の関係者や地元住民で大いに賑わいを見せた銭湯だったのだろう、と思いを馳せてしまう。




【さくら湯】

住所:山口県山陽小野田市中央1の3の7

営業時間:16~22時半

定休日:6、16、26日

駐車場不明

※廃業前のデータです

2013年10月22日火曜日

廃003 亀山湯 (山口県山口市)

【2013年10月の訪問です】

取り壊し間近…ということで、順番が前後するけれどココを更新。

亀山湯は山口県山口市で唯一残っていた銭湯だったが、今年の5月末に廃業。
したがって、山口市は県庁所在地でありながら、銭湯が全滅してしまった。

ただ、山口駅の隣駅には湯田温泉がある。
有名温泉街に近い立地を考えると、亀山湯はよく頑張ったと言えるのかもしれない。




山口線・上山口駅が最寄で徒歩10分弱。山口駅からだと徒歩15分ほどかかりそう。

2階は木材を使った和風、1階はコンクリを使用した洋風。味のある、和洋折衷の外観。
扉の奥には暖簾が掛かっており、現役銭湯かと錯覚してしまう。
もしかして営業を再開したのでは…と思い近所のおじ様に聞いたが、やはり廃業しているとのことだった。




入口の中央上部を見上げると、平仮名で「かめやまゆ」の文字。
電気になっており、夜になると明かりを灯していた。




側面はトタン。つぎはぎ。




立派なレンガの煙突。解体が残念でならない。




左のスペースは駐車場だった。




屋号の看板は木彫り。


ところで、亀山湯から徒歩圏内に「銭湯小路」という住所が存在する。
銭湯小路にある有名店「昭ちゃんコロッケ」で、おかみさんと亀山湯の話をしていたら、
「本当にいい銭湯だった。もうすぐ壊してしまうので最後に見てほしい。”昭ちゃんコロッケから聞いた”と言えば、中に入れてくれると思う」と、予想外のありがたいお言葉を頂く。

中を拝めるかも!との期待を抱いたが…
…亀山湯は、残念ながら不在だった。嗚呼、無念。

 (※昭ちゃんコロッケは、全国食肉産業展で行われた手作りコロッケコンクールで金賞を受賞。「日本一のコロッケ」として売り出している。評判に違わぬ美味しさだったので、近くに寄った際は是非。県外の取扱い店舗も多い)


インターネット上の画像を見ると、亀山湯は昔ながらの空間が残っており非常に惹きつけられる。もちろん番台式で、浴室中央には丸い浴槽。ロッカーなど周辺道具も歴史あるもので、廃業前に行けなかったのが残念でならない。5カ月、遅かった。

なお、アートを通じて山口市の魅力を伝えるイベント「アートふる山口」が10月5~6日にかけて開催され、廃業した亀山湯の脱衣所や浴室を使い、写真や絵画、彫刻などの展示を行ったそう。イベントが終わったら取り壊す予定らしいので、いつ解体されてもおかしくない状況です。




窓に直書きする豪快さ。


【亀山湯】

住所:山口県山口市後河原144

営業時間:16時半~22時

定休日:6、16、26日

駐車場あり

※廃業前のデータです