【2013年10月の訪問です】
この日は山口県の内陸に位置する秋吉台や秋芳洞を観光。
夜は銭湯に行きたいところだが、同地から最寄(と言っても20kmほどありそう)だった山口市の亀山湯は5月末で廃業してしまった。
だが、銭湯は無くなったものの山口市には湯田温泉がある。
秋吉台周辺から30~40分ほど車を運転すれば、快適な温泉に浸かることができるのだ。
しかし、やはりここは銭湯に行きたい。
湯田温泉の共同浴場は、10年後に訪れてもおそらく元気に営業しているだろう。
でも、銭湯は失礼ながら数年先の保証が無い。
近場の温泉を回避し、遠くの銭湯へ行く選択。
我ながら少々変態とは思うが、自分では理に適った行動のつもりだ。
秋芳洞から最寄の現役銭湯は、宇部市の友恵湯か、防府市の桑の山温泉になる。
おそらく、ともに約40kmぐらい距離はあるんじゃなかろうか。それぐらい山口県は銭湯が少ない。
ネットで検索した結果、古そうな外観かつ情報も少ない宇部の友恵湯に決めた。
電話をし、営業を確認。とても感じの良さそうなおかみさんが応対してくれた。
前置きが長くなったが、車で1時間ほどかけ友恵湯に無事到着。
列車だと最寄はJR宇部線・東新川駅で、徒歩10分程度だろうか。
海沿いの工業エリアに接する住宅地に、同湯はひっそりと佇んでいた。
左が男湯。右が女湯。
表示は女湯のみ。
玄関より撮影。伝統的な番台式だ。
曇りガラスの男女境に沿い、浴槽が2つ。奥がジェットバス(確か)で深く、手前は浅い。
緑、白、青が鮮やか。清掃が行き届いた、綺麗な銭湯だった。
貴重な白ケロリン。
湯気抜きに吸い込まれそう。
カラン&シャワーは確か7個。
天井の丸っこいフォルムが可愛らしい。
「何んでも揃う店」。
ロッカーの鍵は大日之出。
むかし大日ノ出って力士がいたな、とマニアックなことを思い出した。
おかみさんによると、経営を引き継いだのは1958年(昭和33年)。
「開業は戦後すぐの時期ではないか」とのことだ。細かい改装はしているが、建物は当初のままらしい。
友恵湯は宇部市に残る最後の銭湯だ。
「10年ほど前に中央温泉が辞め、うべ温泉が2年前に廃業してしまった」と説明する。
「一軒だけになってしまった。続けてないといけないねぇ」。
男湯のドライヤーは故障中だったが、おかみさんが使えるものを持ってきてくれた。
また、翌日に萩へ行く旨を伝えると、道路を親切に教えてくれた。
さらには、山口県全体の観光パンフレットまで頂いてしまった。
わざわざ時間をかけ遠くの銭湯まで来て、本当に良かった。
元気にいつまでも営業してくれるよう祈るばかり。
読みは「ともえゆ」。
余談だが、友恵湯からの帰り道に山口県浴場組合のHPを確認すると、
宇部市の廃業銭湯としておかみさんが言及しなかった天徳湯の存在に気が付いた。
HPに宇部市の銭湯が3軒掲載されていることは覚えていたので、
おかみが廃業した2軒を挙げた際、これに友恵湯を加えた3軒がHPの掲載銭湯だと思い込んでいたのだ。
しかし実際には、中央温泉が未掲載で、天徳湯なる未知の銭湯の名が残っている。
おかみが存在を忘れていただけで、約10年前に中央温泉が廃業した後も、天徳湯はしばらく営業していたのだろうと思う。
宇部岬駅の近くという天徳湯。住所を頼りに探してみたが、建物は無かった。
【友恵湯】
住所:山口県宇部市明治町2の10の3
営業時間:16時~22時
定休日:日曜
訪問日:2013年10月
駐車場あり
※訪問当時のデータです
大変参考になりました。
返信削除今度出張で宇部に行きますので、時間に余裕があれば訪れてみたいと思います。